大阪の高校生が体罰を苦に自殺したニュースが結構話題になってますな。
もう何度も何度もこういった問題が起きると議論されるのが、体罰は『指導』なのか『暴力』なのか。
丁度俺が中学生の頃辺りが体罰が大きな問題になっていた時期だったんだけど、その頃から何も変わらず結論なんざ出る気配すらないですわ。

俺は体罰反対派なんだけど、世間には確実に体罰容認派が結構な数で居ると思うんだ。
「やはり教育には体罰が必要な部分がある」って考えでね。
正直一理あるなとは思う。
ただし、その一理の為に暴力を肯定して良いんですかい？って思うんだよね。

良く体罰をしていた先生を「教育熱心な熱血教師」なんて表現で語られるけど、教育熱心なのと暴力は一切関係ないもん。
ハッキリ言って体罰をふるう教師を肯定的な言葉で擁護することによって、結果的に暴力への免罪符を与えてしまっている気がする。
それが過剰な暴力を助長する事になって、自殺者を生むような土壌ができあがってるんじゃないかね。
「教育の為」って言葉を使えば何をしても許されるような空気が、未だ日本には根強く残っている。

きっと教師側も子供を預ける親側も、『聖職者』ってイメージを都合良く使うからいけないんだよな。
あくまでも一部の人達なんだろうけど。

子供が何か問題を起こしたら「学校でちゃんと教育しろ」って言う親も居るし。
逆に教師が教育的指導として体罰を行ったら、それを暴力だと怒る親だっている。
俺が中学生になる前に学生側の校内暴力が大きな問題になってた。
その反動で今度は、俺の世代くらいで教師側の体罰問題が起きた。
どっちも根は一緒だと思うよ。

もうそろそろハッキリと教師の立場ってのを明確にしておかないと、いつまで経っても同じ事の繰り返しになると思うんだよな。
『教育』ってのは「教え育てる」って書くけど、その範疇は子供のしつけや人間育成の部分まで学校に押し付けるのを良いとするのか。
それとも学校はあくまでも勉強などの能力育成だけする場で、教師は越権行為（暴力）をしてはならないようにすべきなのか。
教師っていう職業に求める役割が曖昧になりすぎているから、一線を越えてしまうのが教師も子供も出てくると思うんだよな。
そこを考え変えていかない限り同じ問題は無くならないさ。


結局信頼関係が大事なんだけど、それを今の日本の学校の中では作れないと思うんだよね。
教師と子供と親で信頼しあって体罰も許されるような社会は。

SMの世界で例えると、お互いの信頼関係が無いと全てのプレイが苦痛しかない暴力になるわけじゃない？
信頼関係も無くいきなりフルスイングで一本鞭を打たれても傷害事件になるだけだからｗ
（一本鞭は扱いが難しいらしく、M側は信頼している女王様じゃないと怖くて出来ないそうな）
今の学校の中でそんなしっかりした信頼関係や上下関係ってのは、教師と生徒の間では作られ難いでしょ。
少なくとも暴力を受け入れられるような関係性はさ。


因みに俺の場合だけど、実際に何度も体罰を受けていたけど教師に感謝なんかした事無いぞ。
ただイラッとして殴ってるようにしか見えなかったもん。
それに殴るような教師に限って明らかに人間性がおかしかった気がする。
俺が感謝している教師が2人居るけど、その人達は一切暴力振るわなかったなあ。


少なくとも、死んでしまったり身体に後遺症が残ってしまうような人を生み出している行為に、何の正当性も無い事をいい加減理解して欲しいな。
全部の体罰を否定するわけじゃないけど、一つの体罰を容認してしまう事によって別の体罰で悲劇が起きてしまうなら全てを無くせと言いたいです。

そうしていかないと何も変わらないよ？