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00:04:06
昨日の続きでござる。


俺が真面目な学会員ぶりを発揮してから一年ほど。
オヤジが手術する事になった。
病名は癌。胃癌だった。

流石のオヤジも癌だと知った時は泣いたらしい。
そして少し鬱っぽくなったりもしていた。
良性の癌の可能性が高いと医者には言われても、実際本人にしてみたらキツイもんだったんだろうねい。

俺の方はと言うと、基本的に自分のこと意外には妙に楽観的なので、「まず大丈夫だろうな」って思っていた。
本当に何となくだけどさ。
もしオヤジに万が一のことがあっても、兄弟もいるしカーチャンの面倒を見れるべって思ってたし、その万が一も想像する事はあまり無かったかな。

でも、実際癌なわけだし悪性だったら確実に死ぬ病気だし、俺は必死で毎日祈ったよ。
仏壇の御本尊に向けてね。
「良性でありますように」「無事手術が成功しますように」「また家族全員で暮らせますように」
オヤジのことばかり祈った。
取り合えず世界平和とかを祈るのは後回しだ。
まずは身近な人を祈ろう。つーか祈るしかない。

手術当日は、オヤジの手術の間ずっと仏壇で祈った。
あまりにも長いので途中休憩入れたけどさw




そして手術が終わった。
良性だった。

と言っても、癌の場合は5年は経過しないと完治とは言えんそうな。
転移が絶対無いとは言えんからね。


ホッとしたよ。正直な気持ち。
いつもぼろ糞に書いているけど、俺のたった一人の父親だからね。
まだまだ親に依存する高校生だったって事もあるしさ。



次の日、オヤジを見舞いに行った。



病室に入っていった。












何しに来た!

さっさと帰れ!!



俺が病室に入るなりオヤジの怒声が響いた。

俺は完全に思考停止になったよ。

「え?・・・なんで?」
他に思い浮かばなかった。
言葉も出なかった。
涙も出なかった。

俺は声を張り上げるオヤジの前で黙って立っていた。
それしか出来なかった。


俺の中で何かが完全に崩れた。


カーチャンが俺を病室から出し、「ごめんね。お父さん気が立ってるだけだから。今日のところは帰んなさい」と言ってオヤジのところへ戻っていった。

後になって聞いたが、カーチャンはその後泣きながらオヤジを叱ったらしい。
そして見舞いに行って怒鳴られたのが俺一人だけなのも直ぐに知った。

色々オヤジにも想いがあったんだろうね。
こんな姿を見られたくないとか、精神的に不安定だったとかさ。
因みにカーチャンには当時自分がそんなことを言った記憶がオヤジには無いそうな。



そして数週間の後、オヤジは無事退院。
家に戻ってきた。
親父は少し変わって帰ってきた。
軽い躁鬱病だってカーチャンが言ってた。
前以上にオヤジの顔色を伺わなきゃいかん生活が始まっていった。

自分なりに考え部活を辞めバイトをした。
「なんで部活をやめた!」と俺を殴り丸坊主にした。
何も口答えせず過した。
だってオヤジ病気だったし今も(心の)病気なんだろうしな。





数ヵ月後に座談会があり、オヤジは体験発表なるものを大勢の前でした。
「~な事があったけど宗教のお陰で○○になりました」的な創価学会(日蓮正宗)の素晴らしさを語る役目だ。


親父は涙ながらに言った

「御本尊だけのみならず家族の支えがあったからこそ癌を克服できました!」

「これからも一家和楽の信心でこれからも突き進んでいきます!」


熱く信仰の素晴らしさ、華族の素晴らしさを語ってましたよ。
泣いているオバチャン達も結構いたなあ。


俺?
俺はその時オヤジを見ながら思ってたよ。



何を言っているんだコノ人は?


退院後、カーチャンがどれだけ大変だったか。
家の中が、家族の心がどれほど荒れていたか。

なんなんだろう。
この人はどこか他所の家族の話しでもしているんかいな。


俺の中で全てが冷めた。
オヤジだけじゃなく宗教も含む全てに。





その後17歳で俺は家を出るんだけど、俺の周りにやってくる全ての創価学会員を突っぱねた。
時には玄関前で論戦をして追い返した。
その話しがオヤジにまで行き相当怒ってたらしいが知った事ではなかった。
そんなことを繰り返し、20歳の頃には学会員は誰も寄り付かなくなったね。




俺はさ、今回のブログで創価学会を否定・非難しているわけじゃないのよ。
教え自体はおかしいと思ってはいないし学会員も普通の人達だ。
学会員となった事で幸せになった人もいると思うしそれは素晴らしいことだと思う。

ただ、俺が学会二世として見てきたものは、決して宗教をしたからといって幸せになれるわけじゃないってものだったんですよ。

俺の知っている学会員で決して幸せではなかった人がいる。
とても仲睦まじかった夫婦が別れたり、真面目だったが故に自殺してしまった人も知っている。
これも創価学会員だったから離婚したり自殺したわけじゃない。
その人それぞれの問題なわけでさ。


宗教は何もしてくれない。
ちょっとそれは言いすぎか。

確かに心を救ってくれたり癒されるケースは多くあるでしょう。
でも、何かの宗教をしたから幸せになったとか幸せになれるなんて事は無い。
これは断言できる。

幸せになれるかどうかはその人の努力や気持ち次第だもの。
宗教なんてものは人生のエッセンスになる程度のもんでさ。


人生の為に宗教をする
宗教の為に人生がある

この二つの差は大きいよな。


少なくとも俺の生きて来た中で言えるのは『周りの人や家族・身内を不幸にしてまで得られる宗教の幸せなんて俺はいらない』って事かな。


ただ、無神論者でいられるほどの人間ではないので、聞かれる場合は「あ、俺は八百万(やおろず)の神信じてるから」って言っているw
実際そういう全てのものに神が宿っている的な精神って一番自分にしっくりくるからね。



まあ、長ったらしく書いたけど、ブログを始めたらいつかは書こうと思ってたことなので、今回書くことが出来てよかったよ。
この一件は俺の性格形成に大きく影響していると自分で思っているからさ。

読んだ人から見たらなんとめんどくさい話しなのかと思っているだろうけどw


コメント
実は、少し前かな?ある宗教のことを調べてたんだけど、その宗教をやめた人の話ってのも読んで。「結局はお金を出さないと疎外されるし信仰もできなかった。全ての人が幸せになる権利があると言う神が、お金を欲しがるだろうか?」って元信者の言葉を見て「ああ、だから私は新興宗教に魅力を感じないんだ」と思ったよ。神の世界では、人間の作った通貨なんかはないからね。
宗教を否定しないし、信仰している人の人格も否定しないし好き嫌いの判断はしない。何を信じるかなんて、自由だからね。けど、信じる心を食い物にしたり、世界征服を企む宗教や人間は、私には好きになれないな、と。創価がどんな宗教かは詳しくないからなんも言わんけど。
ちなみに、「家族の支えがあったからこそ」ってのは、多分本音じゃないかなあと。父親ってのは、自分には威厳があるものだと思っているだろうし、だから、そういう機会を与えてもらえないと、家族に感謝の言葉を伝えられない。まあ、照れというか、なんかそんなものを感じました。でも結局は幼いから、手を上げたりするんだろな。うちの父親もそうだ。感情表現が下手なタイプ。精神的な病気なら尚更じゃないか?
またまた長文すまん。

もす│URL│2008/02/12(Tue)04:19:27│ 編集
すまん、いや別のトコでの話ね。動く石像に踏み潰されるスライムの心境ですよwはぐれメタルになりてぇな~。

ガバメント│URL│2008/02/12(Tue)12:17:58│ 編集
もす
まあ、ある程度の規模で宗教やっていくなら金は必要だしねえ。
昔からある宗派みたいに檀家さんもいるわけじゃないから庶民から絞り取るしかないんだろうさ。
本来は宗教なんざ個人個人で信じるものを祈っていれば良いんだけど、人ってのは群れたがるから結局は徒党を組んじゃうんだよね。
俺は昨日も書いたように周りの人に迷惑掛けないでやって幸せな人はそれで良いんじゃないかなあって思う。
これが出来る人はそう多くないんだけどさ。

まあ、オヤジの言ってた「家族の支え」が本音だとしても、少なくとも俺は支えてないなw
だって何もしてないもの。支えるような事なんか。
少しでも子供のときに父親に愛された記憶でもあればまた違った気持ちになってたんだろうなあ。
なにせ一度も褒められた事もないし優しくされた事も無いんでw
物心付いてから一度も抱きかかえられた記憶も頭を撫でられた事も無い人間は貴重だぞw
今回の日記、一番あの時俺の心を冷めさせたのは、心の病気のくせに外面だけは気にして家族円満をアピったことなんだな。
家の中はボロボロだったのにお前はそんなに良く見られたいのかと。
それから一年も経たずに俺は家を出てるしなw
弱い人間なのに家族にだけは虚勢を張るダメな人でしたよ。

ガバメント
なんだそんな羨ましい場所があるのか。
俺はあんな便利なものになりたくないなあw>はぐれメタル
経験値稼ぐ為だけの存在だもの。

まじれす│URL│2008/02/12(Tue)23:34:37│ 編集
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