自分、15歳の時に内地（本州）に引っ越してきたんですね。
雪が降り積もる12月に北海道を発ったのだけど、その時の見送りの話。


出発当日、俺ら一家は駅の待合室で汽車を待っていたのですよ。
私鉄とかあるところじゃないんで、待ち時間も結構あったりね。（本数少ないから）

暫くしたら兄貴達のクラスメートが駅に集まりだしてきたの。
ちょっと良い光景。走ってきちゃったりなんかしてね。
兄貴達も涙ぐんでたりドラマのような世界がそこにはあったのですな。

だけど俺には誰も来ない。

ちょっと悲しい状況に見えるかもしれないが分かってたことだったしね。
当時中学生だったし義務教育だから見送りに授業休むなんてできるわけがない。
その話も学校の担任から聞いてたから。見送り禁止だって。
だから俺は「エエ光景だねえ」なんて思いながら兄貴達を見てたのですよ。


そんな時に声を掛けられた。
振り向くとクラスの女子が二人。

俺様「エェー！なしたの？（方言）」

思わず聞き返したが、そら俺を見送りしかないわなｗ
授業サボってきてくれたそうな。

んでこの二人、別に仲も良くなかったし話も殆どしたことなかったんだよねえ。
そのうちの1人なんか、嫌いな女子グループの1人で、友達がバカにされたことで一度切れてグループの奴ら怒鳴り散らしたことがあったくらいだ。
なんで来てくれたのかも良くわからん。
良くわからんからなんか恥ずかしくなってきたり。

綺麗な手帳みたいなのに「これになんか書いて」とか言って渡されたんだけど、正直何を書いて良いかさっぱり分からん。
特に想い出も無いし印象もそんな色々書けるほど無い。


『元気でね』


「ハイできた」と書いたのを渡す。
「真面目に書いて欲しいんだけど」と怒られ更に困る。


『バイバイ』
『受験頑張って』
『年賀状お待ちしてます』

そんな言葉を一文づつ加えてたら女子は明らかにイラついているｗ
どうやらお気に召さなかったようだ。
「したっけ何書いたらイイかわかんねーもん！」と泣き言を言い出す俺。
女子も呆れた感じで諦めてくれた。

最後に「見送りありがとな」と手を振りホームに入る前にバイバイした。
ちょっと感傷的になりそうだったけど、これから先の生活の方にワクワクしてた俺は涙なんか出てこなかったよ。

そして、それっきり北海道時代のクラスメイトと会う事は今現在までないっす。









もしかして・・・
片想いフラグとか立ってりしたんかな？


考えてみたら先生から見送り禁止令が出ているのに来てくれたわけで。
それに中学校から駅ってとんでもなく遠いの。（兄貴達の高校より3倍くらい遠い）
それなのに無理して来てくれたんだよね。特に親しくも無かったのに。

それってどっちかが俺のこと好きだったとかじゃね？
俺にホの字だったんじゃね？
その子にだけ俺は藤井フミヤに見えてた奇跡とかあったんじゃね？（当時チェッカーズが大人気）

見送りにきた女子と住所交換なんかしたりして文通でもやったら良かったのかも知れんな。



って事を
引越しから10年以上経ってから思いましたｗｗｗ


おせえよ。
遅すぎるよ俺。