全ては一昨日の友人からのメールから始まったんだ。


『やあキミはプリンが好きかい？』


俺はあまりプリンが好きじゃないわけだが軽く生返事をしてみた。
『特別好きじゃないがどうしたんだい気になるじゃないか』と。
簡抜入れずにメールが直ぐに着たよ。
『巨大プリンを作ってみたくはないかい？』

あー確かに友人は甘いもの好きでプリンも好きだ。
しかし何で巨大プリンなのかと尋ねたら『いや腹一杯プリン食ってみたくないじゃない』と軽快なお返事。
個人的にはちっともプリンを腹一杯食いたいなんか思っていないわけだが、『巨大プリン』というものに何故か心が躍ったりするのも事実。
本当に軽い気持ちで引き受けたんだ。
ちょっと作ってみたいなってくらいの気持ちで。
そして２人でスカイプを使ってプリン計画を話し合い、色々調べながら翌日決行する事となったです。


そして昨日、お昼頃に友人がボクの家にやってきた。

まずはスーパーに行き必要な器具と食材の買出し。
巨大プリンを作るとなると最大限の予想の上で準備をしなければいけないのです。
きっとアレが必要だろう、こういうのも使いそうだよねとか。
そうして最初はダイソーに、次にスーパーへと赴き準備の第一段階を終えたのさ。

家に戻って取り合えず買出し品を写真に一枚。



ダイソーで約５ℓのバケツとプリンを乗せるお盆。
そして念の為のクソでかいタライにプリンを掻き混ぜシャカシャカするヤツをget。
スーパーでは牛乳３ℓとプリンの素１０箱に卵１０個パックを購入。
いやー中々壮大だｗ
意味も無くドキドキしちゃうね。

そして早速調理に入りましたよ。
あ、ちゃんとバケツやなんやらを洗ってからね。

まずは卵を卵黄と卵白に分ける（プリンに使うのは卵黄のみ）。


次に卵黄の中にプリンの素と牛乳を入れシャカシャカ掻き混ぜる。
因みにこの時点で俺は軽く後悔し始めているｗ
だって遼が物凄い事になっているんだもの。
あ、横のは１０派個分のカラメルね。


そして次はプリン液を鍋で木ベラでかき回しながら温め沸騰させる。
てか家の一番大きい鍋に入りきらず、もう１個別の鍋を使うはめにｗ
まあコンロが汚いのは見なかった事にしてくれたまへ。


その間にバケツにカラメルを投入。


沸騰させたプリン液をバケツに戻し準備完了。
後はこれを冷蔵庫で冷やすのみだ。


さあこっからは固まるまでひたすら我慢だ。
もうやること無いしね。
やる事が無い以上は遅い昼飯など食いながら待つのです。
あ、ちゃんと卵の卵白はちゃんと食べましたよ。
塩コショウして焼いただけだけど。



そして。

そしてだ。


ここから地獄のカーニバルの始まりだ！


まずプリンが固まらない。
笑っちゃうほど固まらない。
１箱分だったら１時間ほどで完成するらしいのだが何せヤツは１０箱分だ。
１箱４人前だから・・・４０人前です。
予想以上に量が多過ぎて余熱が無くらないの。

待つ。

もう待つしかない。

待つ以外やる事が無い。

仕方ないので録画したおねマス見たり、友人が持ってきた水曜どうでしょうの夏野菜スペシャルを見たりしながら過ごす。

しかし固まらない。
冷蔵庫をチェックしたら普通に暖かいの。

待つ。

やる事が無くなっても待つ。

０時を過ぎた。

まだ薄っすら暖かい。

眠たいが寝れないっす。

確実に固まってから出さないと、今までの苦労が水の泡だし。

次の日にでも食べれば良いのだろうが、友人の家も遠いし今日中にやっつけたい。
もう次の日になっちゃってるけどね。

なので待つ。

ひたすら待つ。

十数年ぶりにベストヒットＵＳＡなんか見たりしながらも待つ。


朝の５時。
僕等は冷蔵庫からプリンを取り出した。

よし、んじゃあ引っくり返してみるか！

いくぞ！

スパッといくぞ！！





あら～上手にできたじゃない

予想以上にキレイに出来上がったですよコレは！
ヤバイ結構素敵ｗ
テンション上がるｗｗｗ


早速食べてみる。

うん、ウンマイ！
意外にもプリンらしいプリン。
これなら２人でペロリといけちゃう気がする。
朝５時過ぎにプリンを貪る３０代と４０代の男が２人。
おは４を見つつ「女子アナの中田有紀はきっとドスケベだよね」等と話しながらプリンを掻っ込んだ。


うんうん美味しい。

いや～結構遼あるねえ～。

全然減っていかないねえ～。

いや～・・・・。

・・・。


いや、もうなんか無理っす


だって食えども食えども減っていかないんだもの。
途中から胸焼けして吐き気が止まらないんだもの。
黒ウーロン茶で流し込まなきゃ入っていかないんだもの。

段々殺伐としていく２人。
お互い「全然食っていないじゃん」と言い争ったりもしたよ。
プリンに線を入れてお前はここまで食えとか、早朝から食えるわけ無いとか愚痴とかばかり出てしまう。
それでも頑張ったんだ僕等は。





ギブアップだ。

もう無理だ入らないよ。


話し合いの結果、友人に残りのプリンを持って帰ってもらう事にしたよ。
俺は１人暮らしだからこれ以上プリンが入る余地はないが、友人は実家住まいだし近所に知り合いが多いらしいからね。
明らかに俺よりは確実に処分できるはず。
プリンをもう１度バケツに戻し、ビニールでしっかりと閉じて友人に引き渡した。

友人が帰る時、自然と２人から「・・・お疲れ様でした」って言葉が出てきたよ。
いや本当にお疲れ様だよ。
一昨日から計画して結果がコレじゃ。


そして友人が帰った後に猛烈にお腹がユルユルになり、今日のボクはは何度も便所で唸ったりしていました。
どうやらクソ寒い早朝に冷たいプリンを大量に取ったせいのようだね。
その後２時間ほど寝てたら電話が掛かってきて、それが面接の落ちた連絡だったり踏んだりけったり。

取り合えずまあ、そんな散々な１日だったわけです。

しかし学んだ事も多かったよ。
巨大プリンは出来るまでが楽しくてその後は地獄だとか、人間限界がきたらため息しかでなくなるんだって事とかさ。
中々無いでしょ。プリンに殺意が湧いたりする事なんか日常ではｗ
これは作ってみなきゃわからなかったことだからね。
いい経験をしたと思うよボクは。

取り合えず来年分のプリンも食った感じっす。
暫くカスタード系は食べらんないと思います。